営業職のみなさんが現在取り扱っている商品は、売りやすい商品でしょうか?
それとも売るのが難しい商品でしょうか。
営業職というのは基本的に営業目標が高く設定されることが多いので、たとえ売りやすい商品であったとしても目標達成するのは容易ではないことがほとんどじゃないかなと思います。
商品にブランド力があったり性能が他社製品より優れていたりすれば、あとは個人が頑張ればなんとかなるのですが、必ずしも売りやすい商品ばかりを取り扱えるわけではないと思います。
そこで今回は、現状売れてない商品だったり売りづらい商品を売るためにはどういう営業方法を取ればよいのか、について私の実体験をもとに解説していきます。
私自身はトップセールスだったわけではないので、そんな人でも真似して成果がだせるよう解説してきます。
最初に結論から書いておくと以下の3つの方法があります。
- 視点を変える
- 単価を上げる
- 希少性を上げる
売れない商品を売るための営業手法①セールスポイントを変える
その昔、IP電話というものを中小企業向けに新規営業していたことがありました。
IP電話というのは簡単に言うと、インターネットを使った電話システムです。
従来の電話システムよりも通信費が安くなるメリットがある製品で、今でも販売されている業者は多いと思います。
で、この製品を売るために毎日テレアポをして商談するわけなんですが、最初まったく売れなかったわけです。
というかアポイント自体が取れない。
なぜか。
製品には問題は全くなかったのですが、この製品を販売する代理店が日本に多すぎたことが原因でした。
つまり、販売業社が多すぎて中小企業の社長さんたちは毎日かかってくる営業電話にうんざりしてたわけです。
毎日かかってくる営業電話で「通信費を削減できますよ!」と言われても、嘘くさすぎて信じられなくなったわけです。
そこで私は発想を変えました。
新規に電話営業した会社の社長さんが、
「通信費が下がるってやつでしょ??もう聞き飽きたよ!」
と言われたら、
「いえ、トータルの費用でいうと少し費用は上がります。」
と答えるようにしました。
すると、こういう話を聞き慣れなていないので、
「え?どういうこと?」
とかなり高い確率で返答がきます。
なので、そのあたりの詳細を1時間ほどお時間いただいてお話させてください
と言ってアポイントをとっていました。
ちなみに、このIP電話を導入すると通信費を削減できることは本当で、非常に真っ当な製品でした。
ですが、どんなに真面目に毎月の費用削減額をだしても競合の販売代理店も似通った数字感になる(当然ですね)ので、結局見送りになるケースが多かったです。
そこでどうしたか。
実は、このIP電話は導入する上でIP電話システムそのものが100万円ほどかかり、これを月々のリースで契約する必要があります。
ただしそのリース費用が毎月かかったとしても電話をよく使う業種の企業であれば、電話料金を削減できるので結果的に通信費用の削減は十分できるわけです。
そこで私がとった手法は、IP電話システムはオープン価格だったので販売金額(リース金額)を出来るだけ高くして、毎月費用が+1,000円くらいになる見積もりをつくっていました。
そこで、社長さんに私がクロージングとして言っていたのが、
「すみません、毎月1,000円プラスでかかってしまいますが、最新の電話機に交換可能です!カラーリングは白と黒があります。私は黒の方が格好いいと思いますが、社長はどちらかが好みですか?」
つまり、通信費を下げることではなく、最新の電話機を使う高揚感と現場のモチベーションを売っていたのです。
これはセールスポイント(買い手のメリット)を変えるという実例です。
商品自体を変えることは営業マンにはできないので、その商品を買うことでお客様にどんな良い体験を提供できるか、に視点を変えて商品と向き合うことをぜひ試して見てください。
売れない商品を売るための営業手法②販売単価を上げる
売上というのは言うまでもなく、商品単価✖︎販売数量です。
自動車ディーラーでいえば、100万円の車を10台売っても1,000万円の車を1台売っても売上は1,000万円で同じですね。
基本的に売れない商品というのは販売数量が伸びないことが多いのはなんとなく分かるかと思います。
それであれば単価を上げるしかないということになります。
ではどうしたら単価をあげられるのか。
魅せ方はもちろんありますが、売れない商品は値下げしがちです。
でも、安かろう悪かろうという言葉もあるので安ければ売れるわけでもないし、高くて売れないわけでもない。
その価格の妥当性をきちんと納得してもらえればOKです。
先ほどの自動車ディーラーの話でいえば、100万円の車が1,000万円の車より10 倍売りやすいかといえば、必ずしもそうではないことはなんとなく分かると思います。
つまり、単価を上げると同時に誰に売るべきなのかを考える必要があります。
世の中には似たような商品でも高い=価値が高いと判断する傾向があります。
なので、価格で差別化しつつその妥当性を一生懸命その商品から見出してください。
どんな商品でも必ずセールスポイントは見つけられるはずです。
売れない商品を売るための営業手法③希少性をつける
前職で私はとあるメディアの広告を販売していました。
入社当時売れ行きは酷く、全体の10%程度しか売れていませんでした。
そこでどうしたか。
見積もり依頼をしてくる代理店と担当者別のリストを作り、誰がどのくらい受注できたかを可視化しました。
何度も見積もり依頼してくるけど成約がない営業マンに対しては、
「すみません、全て広告在庫が売れてしまったのでまた来月お願いします。」
といって断りをいれていました。
実際には営業マンが悪かったわけではなく広告商品がイケてなかったことが売れてない原因だったのですが、商品改定も行いつつ敢えて売らないことを継続していました。
結果どうなったか。
あそこのメディアの広告枠は最近常に完売しているそうだ、という業界の噂がながれるようになり、営業マンたちもクライアントに希少枠として売りやすくなったのです。
結果的に、3ヶ月後には常に完売状態になり、その後3年間継続して完売が続くという結果になりました。
これは常に狙ってできることではないかもしれませんが、一例としてこういう結果を生むこともあるよという意味でシェアをしておきます。
売れない商品を売るための営業手法まとめ
いかがだったでしょうか。
他のメディアではなかなか紹介していない実例付きで売れない商品を売るための手法について解説しました。
すぐに真似できることも多いと思うので、今売れない商品を抱えて悩んでいる方は騙されたと思ってぜひ一度試してもらえるとよいと思います。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
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