30代でベンチャーへ転職はアリかナシか

今大手企業に勤めている人や、業績が安定している中堅規模の企業に勤めている30代くらいの方で、ベンチャー企業へ転職しようか悩んでいる方はそれなりにいると思います。

そういった方に向けて、私がこれまで経験した4社のベンチャー企業の実態や現状知りうる限りの情報をもとに、アリやナシやをお伝えできればと思います。

結論から言ってしまえば、あまりお勧めはしないです。(20代には強くおすすめします)

ですが、おすすめできる条件の人もいるので併せてお伝えしていきます。

目次

30代でベンチャーへの転職を勧めない理由①想像以上にカオス

特に新卒から大企業勤務で初めての転職でベンチャー企業にいく場合は、思っているより何も整っていないと思ったほうがよいです。

おそらく大企業勤めしかしたことがない人だと当たり前にあると思っているものは大抵なかったりするのと、人材も玉石混交で石が多めなので、それなりに衝撃を受けると思います。

○○億円資金調達しました!とCEOが高らかに宣伝しているようなベンチャーでも、大企業では普通にある業務オペレーションや分かりきったお作法などもないですし、良い意味でも悪い意味でも人間関係が濃いのが特徴です。

30代でベンチャーへの転職を勧めない理由②見極め方が難しい

ベンチャー企業って調べようと思えば結構たくさんあることがわかるのですが、成長性を目利きするのが結構難しいです。

大別すると、

1.資金調達済みのベンチャー

2.オーナー100%資本

3.上場企業の子会社ベンチャー

に分かれますが、30代で転職するのであれば資金調達しているベンチャーを選ぶのがおすすめです。

理由は外部の監視が入るため内部統制が比較的取れている確率が高いからです。(十分ではないけど)

そして事業の成功確度はまた別の話です。

オーナー系企業は実力よりもオーナーとの相性が全て(家族経営を想像しましょう)なので、かなりリスキーだとは思います。

上場企業子会社系は、結局親会社の言いなりになってしまうので、せっかくベンチャーで自由度高くやろうとしてもいろんなしがらみがあったりすることも多いですし、天下ってくる親会社の人間が邪魔くさかったりするかもしれません。(よく聞きます)

30代でベンチャーへの転職を勧めない理由③9割は潰れる

私が過去に勤めたベンチャー企業4社で今も存在するのは1社のみです。

消えた3社の内訳は2社は倒産、1社は上場企業の買収(よくいえばEXIT)です。

ベンチャー企業の平均生存率は10年で1割未満と言われることが多いですが、実は公式な統計は取れていないのが実情です。

ですが、ベンチャーは大企業と違ってお金がないので、ピボット(事業の方向性転換)を何度もすることはできないので、最初の事業の打ち出し角度が非常に重要です。

ベンチャーに転職する段階ではその打ち出し角度は決まったあとが多いと思うので、事業が成功するかは社員の能力だけではどうにもならないことが多いです。

そんな状況でも楽しめるのであればアリかなとは思いますが、かなりのバイタリティは必要です。

30代でベンチャーへの転職を勧めない理由④基本給与水準が低い

おそらく大企業勤めで30代の方がベンチャーに転職しようとすると、役員待遇等でない限り年収は下がることが多いと思います。

これは実例ですが、それなりに資金調達している都内のとあるベンチャー企業の部長陣と飲んだことがあるのですが、一番高い部長の方(30代前半)で600万円の年収でした。

ちなみに私が25歳のときにベンチャー企業で部長職になったときは630万円でした。

一方で現職だと630万円だと役職のない一般社員でも30代であれば貰ってる人は多いと思います。

また退職金制度なんてものは基本ないので、経済的安定性を考えると無理してベンチャーへ行くことはお勧めできないです。

30代でベンチャーへの転職を勧める理由①自分で道を切り開ける人

もう本当にコレです。

カオスな状況を自己解決して会社を成功に自分が導くのである!という強く高い志がある方にとって、経営陣とウマが合うようであれば断然ベンチャー企業はお勧めします。

ただし、実態としてはこういった方がベンチャーにくるケースは非常に稀で、どこから流れ着いてきたのかわからない人が多いのも私が経験してきたベンチャーの実態です。

そんな人材も限られた資産として上手に活用しながら事業を前に進める能力が必要です。

一方で、整っていない環境を自ら構築していける面白さはあるので、0→1が好きな方はベンチャーは楽しめるんじゃないかなと思います。

30代でベンチャーへの転職を勧める理由②どうしてもやりたい仕事

そのベンチャー企業じゃないとどうしてもダメな理由がある場合は30代で転職しても良いと思います。

なかなかこのケースは少ないんじゃないかなと思います。

もしくは社長の目指しているビジョンやミッションに強い共感を持てる場合などは結構おすすめできるのですが、実際にそれが言葉だけではないかどうかは直に確認したほうがいいです。

私の友人がベンチャー企業の社長ですが、HPで謳っているビジョンについて尋ねたところ、本音では違う思いを持っていたりしたこともあるので、そのあたりは入社前にきちんと確認することをおすすめします。

入ってからでは遅いので。

30代でベンチャーへの転職を勧める理由③幹部採用の場合

これもあるあるですね。

大企業から役職ありで転職できる場合は、よくよく事業の成功確度や状況を把握した上で入社するのはありだと思います。

一方で、先ほどと重複しますが人材のレベルは大企業に比べると入社難易度が低いため玉石混交です。

そういった人材もうまく活用して結果を出さなければならないので、結構ハードワークが必要になります。

そのあたりの覚悟が持てるようであれば、挑戦する価値はあると思います。

30代でベンチャーへ転職はアリかナシかまとめ

いかがだったでしょうか。

30代でベンチャーに転職しないほうがいい理由4つと、してもいい理由3つをお伝えしました。

改めてまとめると、大企業勤めの人の最初の転職がベンチャー企業というのは30代にはおすすめしません。

それでも我こそはという自信があれば、チャレンジする価値はあると思います。

色々考えても分からないことも多いと思うので、興味があるベンチャーは一旦選考を受けて社内の人と話したりする機会を設けることで、入社後のイメージを固めるのがよいと思います。

それではまた。

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