今20代でベンチャー企業に転職しようか悩んでるけど、本当に転職して大丈夫だろうか?後悔することにならないだろうか。まともなベンチャー企業の探し方とかないものだろうか?
こんな悩みや疑問をお持ちの方に向けて、解説していきます。
本記事の内容
1.ベンチャー企業のよくある3つのイメージと実態について【経験談】
2.自分に合うベンチャー企業の見極め方(最低限2つの視点)
3.ベンチャーで活躍できるひとが持つ3つの特徴
本記事の信頼性
筆者はこれまでベンチャー企業で3社勤務経験があり、いずれの企業でも部長職以上を経験していることからベンチャーの経営陣の考え方や現場メンバーの実態までよく知っています。その実体験に加えて知人・友人にベンチャーの経営者も多くいますのでそのあたりの情報も踏まえた上で精度の高い情報をお届けします。
ベンチャー企業のよくある3つのイメージと実態について【経験談】
ベンチャー企業は仕事の裁量権がある
これはよく言われることですが、ベンチャー企業は大企業に比べると確かに若くして裁量権をもつことができる可能性は高いです。
ただし、大企業でもベンチャーでも共通しているのは、裁量権を持つためにはそれなりに出世する必要があるところです。
一般社員が裁量権を持てるか?といえばベンチャー企業でもそれはさすがにないです。
ただ、ベンチャー企業はそもそも組織規模が小さいので役職階層が少ないケースが多いです。
イメージとしては、平社員、マネージャー、部長、執行役員(本部長)、役員クラス、社長の六階層に収まっていることがほとんどだと思います。
なので、マネージャー以上の階層になれば求められる責任範囲が広くなる分、一定の権限(裁量権)を与えられるケースは多いです。
また、大企業と違ってベンチャー企業はオペレーションの仕組み化よりも売上の最大化にリソースを割くことが一般的なので、マネージャークラスでもそれなりの裁量権をもって仕事ができますし、それなりの結果を上層部には求められます。
ベンチャー企業は年功序列ではない
これは正しいです。
ベンチャー企業にとって唯一目指すべき場所は、事業(売上)の圧倒的成長です。
そのために必要であれば、20代の若手でも管理職に登用されることはよくあります(私も25歳のときに営業部長になりました)し、それで成果を出せば部長、役員と上り詰めていくことはそうそう珍しくないです。
一方で注意すべき点としては、役職が上がるのが簡単なぶん、降格スピードもめっちゃ早いです。
大企業だと管理職になるとなかなか降格人事が起きることはないですが、ベンチャーでは年に1度くらいのタイミングでざらにあります。(私も1度だけ経験しましたが辛いです)
それも成果が出てないなどの真っ当な理由ならよいですが、単にあまり好きではないとか気に食わない、といった非合理的な理由がまかりとおってしまうのもベンチャー企業のあるあるの特徴です。
なので、大企業に比べると人間関係(特に上司や経営陣)はウェットなので結果が出てるからといってあまりにも自由な振る舞いをしていると裏から蹴落とされることがあるので十分注意は必要です。
ベンチャー企業は給与待遇はあまりよくない
これは経験上、間違いなく良くはないです。統計データでも同じような感じだったと思います。
といいつつも、あくまでもそれは大企業勤めの人から見たベンチャー企業の給与待遇です。
他業種からITベンチャーに転職するのであれば給与待遇はそこまで悪くないと感じることが多いのではないでしょうか。
ITベンチャーの給与事例ですが、平社員層で300万円〜500万円、マネージャー層で400万円〜600万円、部長層で500万円〜700万円、執行役員層で700万円〜900万円くらいが大半だと思います。
正直、IT大手であれば平社員でも30代前半で年収700万円とかは平気で超えてくるので、もし大企業勤めで30代の方であれば役員待遇でない限りは年収はダウンすることを覚悟すべきです。
逆に20代であればIT大手でもそこまで年収が高くならないので、給与待遇という面でベンチャーに転職するリスクがあるかといえばほとんどないと言えます。
自分に合うベンチャー企業の見極め方(最低限2つの視点)
社長の経歴
まず、第一に見るべきは社長の経歴です。
経歴には大雑把に分類すると以下の3パターンあります。
1.学生起業家(会社員経験がほぼない)
2.有名企業出身の起業家
3.上記以外
1.学生起業家の特徴
会社勤めをしたことがないので、基本的には会社員勤めの人の気持ちは理解できないものだと思った方がよいです。
肌感として理解はしていないものの、事業や組織を上手く回すためにサラリーマンの気持ちを理解しようとするか、しないかは結構タイプが別れるところです。サラリーマンの気持ちを理解できることが事業の成功に密接に関係しているか、といえば必ずしもそうではありませんが、働く環境には影響がでます。
このタイプの経営者は自社のサービスや事業の成長を一番に考えていることが多いので、大企業勤めしている人がもっている人間関係調整のスキルだったり売上に直結はしないものの重要な業務はやや評価されづらい傾向にあります。
逆に、成果にフォーカスして結果を残せるタイプであれば、こういうタイプの社長とは馬があって良いかもしれませんが、大企業出身者には正直あまりおすすめしません。
2.有名企業出身の起業家
IT系のベンチャーやスタートアップだと、有名IT企業出身の社長もそれなりに多いです。
社長の過去の勤務先がそのベンチャー企業の社風に影響を及ぼすことは多いので、出身企業が分かるようであればOpenworkなどで調べてみることをおすすめします。また、社長が前職でどういう職種(営業系、企画系、開発系、制作系など)であったかも重要な視点です。
営業系出身の社長であれば比較的営業が強めの会社になるでしょうし、エンジニア出身の社長であれば技術よりの文化の会社になることが多いです。
ここで気をつけた方がいいことは、例えば営業系出身の社長が営業職を重要視するタイプなのか、それとも自分が得意ではない非営業職もきちんとケアできるタイプなのかを見ることです。
これは面接で直接社長と話さないとわからないことですが、会社のHPに社員インタビューがあれば社長の出身職種と異なる職種のインタビューを見てみることをおすすめします。
一般的には営業系出身の社長がいる会社は技術系の職種のひとは居づらかったりポジションが低めなことが多い印象です。
こればかりは社長の経営方針によるのでなんともいえないところなので、企業ごとにきちんと見た方がいいです。
3.上記以外(学生起業家でも有名企業出身でもない)
このパターンの社長が実際は最も多いかもしれません。
このパターンの社長が経営する会社が外部からの投資が集まりにくい傾向にあるので、銀行借り入れ中心で事業を展開しているケースが多く、飛躍的に事業が伸びていくというよりはある程度堅実に事業を進めていくことが多いと思います。
ド派手なイメージの会社は自分には合わないな、と思う方には相性が良いと思います。
ちなみにこういうタイプの社長は大企業コンプレックスがあったりすることがあるので、大企業出身の人が入ることを好むケースは多いので、大企業出身でそれなりにまったり働きたい方にとっては相性がよいことが多いと思います。
ただし、比較的オーナー会社(社長が100%株主)であることが多いので、社長との関係性は非常に重要になってきます。
資本
これは会社を運営する資金をどうまかなかっているかという視点です。
ベンチャーキャピタルや個人投資家から出資されている会社は、基本的には成功確度が高いのですが、それでも投資家視点から見れば10社のベンチャー企業に投資して9社は潰れて1社が大成功すれば投資回収できるよね、というビジネスモデルなので、外部資本が入っているからといって安心というわけではありません。
それでも外部資本を調達できるのは社長のプレゼンのうまさだったりプロダクトの筋の良さが一定水準はあるということなので、転職しようとしている会社が自社資本だけで経営しているのか、外部資本が入っているのかは確認しておくことをおすすめします。
個人的にはベンチャー企業に転職するということは、上場させることで一定の金銭的リターンが欲しいと思うので、外部資本が入って上場を目指しているベンチャー企業を選択した方がいいと思います。
外部資本を一切いれないベンチャー企業は社長=オーナーということで、事業が成長しても社長の収入は増えるものの、社員にどの程度還元されるかは社長次第になるので、まったり働きたい方以外にはおすすめしません。
ベンチャーで活躍できるひとが持つ3つの特徴
計画性より実行力
ベンチャー企業はよくもわるくも整っていないことが多いです。
なので、組織の力を効率的に使う大企業とは異なり、個人の突破力がかなり重要になってきます。
承認プロセスも大企業のように複雑ではないので、おおよその計画を立てたらあとは突撃して結果をみて振り返って改善する、みたいなことを猛スピードで行うのが普通です。
なので結果がでるまで実行フェーズを何回繰り返せるかがポイントなので、実行こそ正義だと思ってガンガン前にいくことが大事になってきます。
プロセスより成果重視
先ほどの実行力と似通ってくるのですが、ベンチャーは資本がないので事業が成功するか、会社が倒産するかが常に背中合わせの状態になっています。
そんな中で早急に成果を残さないと事業が死んでしまうため、会社で重要視されることはいかに短期で成果をだせるかどうかです。
正直、中長期視点は不要です。
経営陣ですらそんなことを追ってないことがほとんどです。
なので一に成果、二に成果、三に成果の勢いで成果にフォーカスして仕事をする必要があります。
大人なコミュニケーション力
これは平社員などのメンバークラスのときは不要ですが、管理職になったり役員に近づくにつれて重要です。
意外だと思われるかもしれませんが、ベンチャー企業で大人のコミュニケーション力が必要な理由は2つあります。
理由その1.組織が若い人で構成されることが多いため、取りまとめたりできる大人な人が必ず必要になる
勢いだけで事業成長させて上場するような会社で外から見たら華々しく見える会社でも、中を覗いてみるととんでもない人間関係になっている会社は結構多いです。
特に起業をするようなパワフルな経営者は会社の人間関係よりも事業の成長に重きをおくことが多いので、どうしても人間関係の問題は後で解決しようとしがちです。
こういったときに、大企業などで色んなしがらみを経験して解決してきたような人材がいると、経営陣と現場の橋渡しをする意味も含めて重用されるケースは多いです。
ただし、一番に求められるのは成果なので、その成果が出せるうえで大人力があることも求められるのでそこだけはご注意を。
理由その2.経営陣が円熟していないケースが多いので、社員が子供のままだと衝突して外に弾き出されるケースが多いこと
これは私が経験したことですが、経営メンバーが起業以前に管理職経験が少ない場合によく起きます。
管理職を長くやっていると色んなタイプの部下や上司と関わることがあり、それなりにトラブルを解決できる能力を身につけられたりするのですが、管理職経験なくいきなり経営者になってしまうとそのプロセスをすっ飛ばしているので、できない人の気持ちが理解できなかったり、言わなくてもいい余計なことをいって社員のモチベーションを下げてしまったりしがちです。
こういうときにも大人力がある人材が一人でもいると会社を円滑に回す上では貴重な人材になります。
なので、職場での人間関係のバランスが良いタイプのひとは自分では気づいていないと思いますがベンチャー起業においては重要なスキルとなりえます。
ベンチャーに転職して後悔しないために知っておくべき5つのことまとめ
いかがだったでしょうか。
20代の若手時代にベンチャー企業に転職するのは個人的には大いにありだと思います。
ただし、どういうベンチャー企業を選択するかは非常に重要ですし、一般的な20代の若手ビジネスマンだと見抜く目をもってないことがほとんどだと思います。
今回の記事では少しだけですが優良ベンチャー企業を見抜く方法やベンチャーで実際に活躍するタイプについて解説させていただきました。
今後はよりベンチャー企業への転職の実態について詳しく解説していきたいと思っています。
それではまた。
コメント