先日、妻から、会社の偉い人(部長)に現在の事業コンディションをプレゼンしなきゃならないから、資料作成を手伝ってくれと泣きつかれた。
いやこっちも忙しいんだよな、とおもいつつ参考までに妻の同僚3人が先行して提出していた資料を見せてもらったのだが、正直驚いた。
これはWordですか?
というほどのテキストがスライドの四隅まで詰め込まれ、グラフも1枚のスライドのところどころに切り貼りされており、こんなしょうもない資料のプレゼンを聞かされる部長さんも大変だなあと思ったわけだ。
しかも、同僚の3人がほぼ同じレベルだったので、4人目となる妻にええ格好させてあげようと思い、そのときに代わりに作りながら教えた具体的な資料作成についてここに記そうと思う。
なお、その部長向けプレゼンは先週行われたそうだが、圧倒的にお褒めの声を頂いたのは妻だけだったことは言うまでもない。
じゃ早速本題へ入ろう。
【前提】相手の役職や立場に応じて資料は変わる
これは結構重要だ。というかまさに資料を作り始める前に設定しよう。
プレゼンの原則は、受け手のレベルに合わせて作ることがマストだ。
それぞれの立場によって見ている景色が異なるし、気にしている箇所も違ってくる。
おおまかに言えば、プレゼンする相手が偉ければ偉いほど大枠から語らないといけないし、現場への説明ならより詳細なプレゼン(それを聞いてどう行動すればいいのかがわかるように)が必要になる。
【簡単】資料作成の簡単5Step
これは非常に簡単なのでさっそく解説していこう。
- プレゼンで一番伝えたいこと/勝ち取りたいことを決める(ゴール設定)
- ゴールまでの文脈(ストーリー)をつくる
- ストーリーに沿って1スライドに1メッセージを下書き
- 各スライドを埋める
- 全体のトンマナを合わせて終了
ほーら、言われてみれば簡単そうだろう。これをそれぞれ解説していこう。
1.プレゼンで一番伝えたいこと/勝ち取りたいことを決める(ゴール設定)
そのプレゼンはなんのためにするのかを考えるのが一番良い。何かをお客さんに買って欲しいのか、上司に企画を通したいのか、チームを自分が思う方向へリードしたいのか。色んな目的やターゲットがあるだろうが、まずはここをきちんと設定することが大事だ。
そのプレゼンが、社内向けでいうと、「共有・報告」「相談」「承認依頼」のどれを目的にするかで資料構成も変わるだろうし、社外向けなら「ご提案」と「ご報告」が主になってくるだろう。
2.ゴールまでの文脈(ストーリー)をつくる
ゴール設定から逆算すると、どういうストーリーを作れば納得感が最高になるのか、ここは作り手のセンスや技術が一番でるところだ。このストーリーを作るのが上手いとプレゼンの成功率は爆上がりする。逆にストーリーがちぐはぐしていると、説得感がなくなってしまうので、ここはそれぞれ勝ちパターンを見つけて欲しいんだが、簡単なストーリーメイキングの方法を教えておくと、
1.目指しているゴール
2.現状とゴールのGAP
3.そのGAPを埋めるための作戦
4.その作戦を選んだ根拠
5.その作戦の効果試算と費用とスケジュール感
6.想定されるリスクと対処案
大抵はこの流れで作れば問題ない資料ができると思う。上のテンプレは主に社内向けだが、営業がつくる提案資料でも十分活用できるものになっている。これは特に決裁者向けってところだ。偉い人向けに使ってみてくれ。
【重要】1スライド1メッセージ(要は何が言いたいか)
これまでゴール設定とストーリーメイキングについて話したので、ここでは肝心のスライドの作り方についてさらっと解説することにしよう。
スライドの基本構成だが、
1.タイトル
2.サマリー
3.サマリーの根拠
この3つを上から書いていくことになる。
特に2のサマリーが抜けているスライドが本当に数多いのだが、2の役割は、1のタイトルについての具体的な結論となり、3を読まなくても2を読めばそのスライドが何が言いたいかが分かることが重要だ。
例を出すなら、
タイトル:東京都におけるコロナ病床確保の進捗
サマリー:2021年5月の見込みは1,000床(前月比+100)と想定通り進捗
根拠:23区(+30)と23区外(+70)のような形のグラフなどで病床増加の割合を記載
タイトルとサマリーだけでこのスライドが何が言いたいかがすぐに分かると思う。だいたい、偉い人ってのは資料なんてろくに読まないし、細かい文字は小さくて見えないから興味ももたれないものだ。フォントサイズは36をベースに考えておくのがよい。
【不要】デザインセンスや装飾
さて、ここまでくれば一通りプレゼン資料が出来上がってきたと思う。完成度としては80%〜90%くらいだろうか。ここでは、最低限考えておくデザインのあり方についてポイントを書くが、
1.フォントは全スライド統一すること:メイリオが無難
2.各スライドの色使いは3色以内:ファッションと同じ
3.重要箇所だけ太字やフォントサイズを大きく
4.アニメーションや装飾は原則不要
これだけ意識してもらえれば、デザインセンスがなくても真っ当なスライドに仕上がるはずである。たまにどうしようもないセンスのプレゼンターもいるが、そういう場合は上場企業のIR資料(特にITやネット系が最先端なのでおすすめ)をマネしたりしてスキルアップを図るのがおすすめである。
自分も昔、色んなIR資料の作り方をマネして取り入れたので、好みのスタイルが各々あると思うので色んなIRをのぞいてみるのもまた楽しいと思う。
最後にまとめ
ここまでスライドの作り方を書いてきたが、もちろんゴール設定の確かさや、論拠の準備の仕方などビジネスマンとしてのスキルが重要であることは間違いない。そこは日々スキルアップしてもらうとして、パワポプレゼンの作り方という観点でいえば基本の基をここでたっぷり伝えたのでぜひ参考にしてみてほしい。
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