自分の周りや世間で大企業に勤めているひとが羨ましいです。大企業のリアルな実態(ステータス、将来性、意外なデメリットなど)にも興味がありますし、もし大企業へ自分も転職できるなら何をするのがベストなのかが知りたいです。あぁ大企業に入って安定した給料やステータスが欲しい・・・。
こんな疑問やお悩みについてお答えしていきたいと思います。
本記事の内容
1.みんなが羨む大企業の給与、待遇、ステータスとは?
2.大企業勤めが必ずしも幸せなわけではない3つの理由
3.大企業へ最短で転職するためにやるべき3つのアクション
本記事の信頼性
筆者は、2022年3月現在で国内大手IT企業に10年弱勤めており現役の複数の事業責任者です。
現職に入るまえはスタートアップや外資系日本法人、国内上場企業の100%子会社勤務なども経験しているので、大企業とそれ以外の企業の違いもリアルに体験していますので参考になればなと思います。
みんなが羨む大企業の給与、待遇、ステータスとは?
大企業の給与水準、福利厚生、ステータスとは
大企業の給与水準は高いことは高いものの、実は業界や職種によっても大きく異なります。
例えば金融、不動産、コンサル、総合商社、IT業界は平均給与が高いことで有名ですが、サービス業(飲食や旅行業界、介護業界など)や小売業界(コンビニ、スーパーなど)はかなり平均給与が低いです。
つまり、
給与水準が高い業界の中小企業>給与水準の低い業界の大企業
といった図式もよくあるので、大企業に入って年収を上げたい方は業界選びには注意が必要です。
ちなみに私が所属している会社の公表している平均年収は700万円台で平均年齢は30代前半といった感じです。
(少しぼやかしています、すみません。)
私がみてきた範囲だと、20代後半の平社員クラスで500万円〜600万円の年収水準がボリュームゾーンだと思います。
福利厚生については私が属しているIT業界は基本薄いのが一般的ですが、メーカーや金融業界だと住宅手当がついたりすることもあるようです。またIT業界は業界自体の歴史が浅いこともあり、退職金制度が整っていない会社が大企業含めて多く、401Kによる個人運用に委ねられていることが多いです。
歴史がそれなりにある業界の大企業であれば退職金制度を導入している企業は多いですが、そのぶん若いときの給与水準は低めにおさえられていたり、年功序列型賃金であることが多いです。
若い時からバリバリ仕事がしたいのであればIT業界は非常におすすめですし転職難易度もそこまで高くないのでおすすめです。
また大企業勤務であることのステータス性についてですが、個人的にはあまり感じません。
とはいえ住宅購入の際のローン金利が優遇されたりすることは当然あるので、実利で得なことはあると思いますがそれ以上のステータス性を求めるのであれば、大企業勤務はそこまででもないと個人的には思います。
大企業勤めのしごと環境
1.相対的に中小企業に比べてまともな人が多い
これは私がベンチャー企業から大企業へ転職したときに一番感じたことです。
もちろん大企業といっても色々な社風があるので一概には言えないですが、大人なひとが多い印象です。
どうしても中小企業やベンチャー企業は優秀な人材を採用しづらいことが多く、正直玉石混交です。
それに比べると入社試験(書類、筆記、面接3回など)もハードルが高いこともあり、一定の水準の試験をくぐってきた人たちが集まっている分、平均的な仕事の能力値は高いです。逆にいうと、突き抜けている人材はベンチャーに比べて少ない印象です。
2.調整ごとが多い
大企業勤めの人がこれを揶揄するとき「ドラクエ」という表現をよく使います。
大企業は社員数も多いですし部署も多く、利害関係がさまざま発生したりお役所的な部署もあるため、それらを丁寧にひとつひとつお使いをするようにクリアしていかなければなりません。
まるでドラクエのように、あっちの街で誰かに話を聞いてまた別の村へいって誰かを助けて、みたいにあちこち行脚することも多いです。
ただ、これは慣れてくると顔馴染みになってくるので実は思ってるよりは簡単ですが、すぐに社内に敵を作るようなタイプのひとは確実に苦労します。
これは大企業でなくても組織で働く以上だれしも意識して行動しなければならないことですよね。
3.残業管理が徹底されている
これは残業をしても残業代をつけることができない、という意味ではありません。
会社によっては20時で強制的に執務室の照明を落としてしまう会社なんかもあります。
大企業は基本的に残業代はフルにつけられることが多いですし、そもそも残業代を支払わないのは違法です。
また大企業は社会的公器であるために、違法行為をしているとすぐに社員からタレ込みがされてしまい、行政指導の対象になることを避けるためにも法令遵守は徹底されています。(そうでもない大企業は問題になってみなさんの目に入っていると思います。
こんな背景もあるためライフワークバランスに優れていることが大企業勤務の特徴のひとつだと思います。
今の時代、仕事だけ頑張ればよいという時代でもないため、仕事とプライベートのバランスを個人の生き方によって調整しやすいのもまた大企業勤務の特徴かなと思います。
大企業勤めの3つのメリット
明日潰れない
なんといってもこれが一番の大企業勤務のメリットだと思います。
もちろん会社はいつか潰れますし、これまで株式会社が生まれてから潰れなかった企業というのは存在していません。
とはいえ豊富なキャッシュと優秀なビジネスモデル、選りすぐられた人材を有する大企業は少しの失敗で潰れるわけではないので社員の生活がある程度保証されていることが大きなメリットの一つですね。
ただし、時代背景的には大企業も潰れる時代なので心から安心というわけではないものの、中小企業やベンチャー企業と比べれば絶対的な安心感はあると思います。
転職するときに有利になりやすい
なんだかんだで自社の求人に応募してきた書類に目を通す時に、大企業での勤務経歴があるとポジティブな印象を持つ人が多いことは想像できると思います。
実際、私も自分の市場価値を知るためにビズリーチに登録していますが、毎月かなりのオファーが企業からもヘッドハンター(エージェント)からも届きます。
それは私の能力やスキルという面よりも、所属している会社の名前が大きく影響していると思います。
雇用流動性が今後どんどん高くなっていくことを考えると、人生で何度か転職をする機会は出てくると思います。
そんなときに転職に有利であることは間違いないので、そういった面でも大企業勤務のメリットはあるかと思います。
社会的信用性が高い
これは主にローンを組むときやクレジットカードを作るときなど、金融関連で有利に働くことが多いです。
また、将来結婚したりする場合には相手方の親族にとって受けが良いのも大企業勤務のメリットかなと思います。
本質的にはどこに勤めているかよりも、どういう人物なのかが大事だと思いますので個人的にはどうでもいい要素かなと思いますが、気にするひとは気にするのでないよりはあった方がマシかな、という程度だと思います。
大企業勤めが必ずしも幸せなわけではない3つの理由
茹でガエルになりやすい
これは特にホワイトと呼ばれる大企業でよく見られる光景です。
例えばIT業界で一番ホワイトな職場だと言われている会社にGoogleという検索の会社があります。
Googleの日本法人で働く社員に元上司や知り合いがいるのでたまに話す機会があるのですが、社員の平均在籍期間は約5年ほどと意外に短いようです。
1日3食無料でごはんが食べられて、給与水準が高く、プロダクトも最強で、人も良い企業なのになぜ5年ほどでみんな退職するのか不思議だったので現役社員に理由を聞いたことがあります。
その理由が、Googleの製品やサービスが強すぎて誰でもある程度簡単に成果がでてしまうため、他の会社に行ったら通用しなくなるんじゃないかという恐れが出てくるようです。(ビジネス職の場合)
これはすごいよくわかります。
日系のホワイト大企業も似たようなことがあり、特に新卒を大事にする会社の場合はかなりおだてながら優しく育てることが多いので、温室育ちで厳しさを知らず、会社の看板で仕事をしていることも理解できずに年齢を重ねてしまい、結果として市場価値がない人材になりがちということがあります。
日本の代表的企業であるトヨタですら終身雇用はもう厳しいと言い出しているくらいなので、新卒入社した会社で定年まで過ごせる保証は99%の社会人にはないと思います。
こういった側面を考えると、私は20代のころは守るべきものが比較的少ないと思うのでベンチャーやスタートアップ、中小企業などのような会社の看板が弱い場所で仕事を覚えるほうが長期的にはよいと考えています。
正直、仕事のスケール感に慣れさえすれば、小さい企業でなんでもこなせるタイプのひとは大企業の仕事は楽だと思います。
もちろん高度な専門性が求められる領域ではそうはいかないですが、そういった職種はそもそも経験者採用しかしないですし、かなり狭き門なので無視してよいと思います。
仕事にやりがいが持ちづらいことも
大企業は人に依存せず良質な仕組みをつくることで大企業となっているため、必ずしも本人がやりたい仕事ができるわけではないところがデメリットです。
また経営層との距離がどうしても離れてしまうので、なぜこのビジネスを自分が担当しているのか?などの疑問が生じることはそれなりに多いかと思います。(私自身よく感じます。)
新卒でよくある配属ガチャに近いですが、中途入社の場合も定期異動がある会社は多いです。
なので入社するときは希望部署に入っても、のちのち違う部署に異動することは会社判断であり得ますし、実際何人も私は見送ってきました。
逆に言えば、これといってやりたいことが明確ではなく、与えられた仕事をそれなりに楽しめる人は大企業に向いていると思いますし、そういう社員は実際多いと思います。
柔軟性に欠けることが多い
社内外ともにルールや制約が多いのが大企業のデメリットの3つ目です。
伝統的なアメリカの大企業であるGEなどでは、かつて予算承認を通すまでにサインが24個(24人)必要だったという実話まであります。
昨今そこまでの煩わしさはないにしても、外部と契約をするときは法務部を通して契約書の内容をチェックして、支払い系は経理と連携、コンプライアンスは問題ないかなどのチェックや、ほかにも様々なリスク対策としてのオペレーションが発生します。
比較的若いひとが多いIT業界でも大企業だとこのくらいは普通にあるため、レガシーな大企業だともっと煩雑なオペレーションがあるんだろうなと容易に推測できます。
少し柔軟性とは話がずれましたが、リスク回避のためのタスクが様々あり、経営層は自分達がオペレーションをするわけではないので現場の大変さに気づきにくいという特徴があります。
まあ正直これも慣れなので、慣れてしまうか出世してしまえば問題ありません。(簡単に言うなという話ですね)
大企業へ最短で転職するためにやるべき3つのアクション
これまで大企業で働く実態や、メリットデメリットについてお伝えしてきました。
総合的に判断するとやはり大企業で働くということは素晴らしいことですし、この記事を読んでいただいている方も可能であれば大企業へ就職、または転職したいと思われていると思います。
そこで私がブラック企業から現職の大企業へ転職した経験から3つのアクションをまとめましたので参考にして頂ければと思います。
得意な職種で地力をつけて昇進すること
まずこれが必須条件です。
職種は、営業でも企画でも開発でも経理でも制作でも法務でもなんでもよいです。
自分の強みを最大限に伸ばし、現職で圧倒的成果を出せるようになりましょう。
イメージするのは職務経歴書に書ける仕事をすることです。
これは与えられた仕事を漫然としているだけでは無理なので、視座を上げる必要があります。
一番好ましいのは、中小企業勤務であれば規模の小ささを活かして経営課題にインパクトする業務をすることです。
もう少し具体的にいえば、勤めている会社の売上を増やすか、費用を削減するか、いずれかの量を最大化することを意識してみてください。
それと昇進して給料(できれば年収400万円水準)を上げておいてください。
大企業に転職するときにあまりにも現職の給料が低い場合は能力も低いと勘違いされるケースがあります。
いかに昇進していくかについては以下に詳細をまとめていますのでこちらも参考にして頂ければと思います。
中途採用が多い大企業が属する業界=IT業界はおすすめ
大企業の中でも業界によって、中途採用を積極的に採用する業界とそうではない業界があります。
例えば銀行や商社、大手メーカーなどは中途採用枠はかなり少ないです。
一方でIT企業やWeb系企業などの新興業界は業界の平均年齢が比較的若いため、中途採用を積極的に募集しているケースが多いです。
業界は色々あるものの、IT業界の今後の伸びしろを考えると、今業界未経験であればIT、Web系の中小規模の企業に一旦転職してスキルをつけ、その後大企業へ転職するというのは全然ありだと思いますし、私も実際そうしてきましたのでおすすめです。
以下の記事もお時間あれば参照ください。
大企業の顧客が多い転職サービスを活用すること
これは当たり前と言えば当たり前ですが、大手企業が求人を出している転職メディアを使いましょうね、って話です。
転職サービスは参入障壁が低い業界なので、サービスの数もかなり多く、品質もまばらですが、大企業案件を多く取り扱っているリクナビNEXTやDODAなど大手転職サイトを登録しておけば十分です。
スカウトを待つタイプがよければビズリーチが大手スカウトサービスとして有名なのでおすすめです。
20代後半くらいまでの方であれば、RE就活なども無料で登録しておくことをおすすめします。
実は転職サイトの使い方として大事なのは、転職したくなる前に登録しておくことです。
なぜかというと、どういった職種でスキルを伸ばしていくかを考えるうえで、これらの転職サイトに登録して求人内容や募集要項を見るようにしておくと市場に求められているスキルや経験年数がわかるからです。
自己流で市場に求められていないスキルを習得することに時間を無駄に使わないようにしましょう。
大企業勤めを羨ましく思う人に向けたリアルな5つの実態まとめ
いかがだったでしょうか。
大企業で働くことについて、リアルな実態をお伝えしてきましたがなんとなくご理解頂けたでしょうか。
大企業に入ることは簡単であるとは言えませんが、絶対的に難しいわけではありませんし高学歴である必要もありません。
その代わり、自分を大企業に買ってもらうためのスキルや経験を身につける必要があります。
本メディアではノンエリートでも本業年収で1,000万円を超える収入を稼げるようになるために必要な情報を発信していますので、文中で紹介した記事のほかにも色々参考になると思いますので読んでみてください。
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